
「おもちゃ箱をひっくり返したような街」と言われている香港。
未来都市を思わせる高層ビルが立ち並ぶエリアもあれば、多種多様なお店が入った雑居ビルや屋台、市場が集まったエリアもある。
なんとも言えない人の日常と活気を感じるこの街。ブラブラ歩くだけでもワクワクする。
そんな香港で仕事をさせていただき、もうすぐ1年。お客様からありがたい話をいただいた。
香港日本人学校の中学生と交流する貴重な機会。それも中学生たちが、将来の進路のヒントを見つけるキャリア授業だ。
人に自慢できる人生を送ってこなかった僕でいいのか?
「自慢できる?誰と比べて?」。
以前の僕の心。今は違う。
参考になることはないかも知れない。
でも、笑ってくれればいい。友達と話すネタになればいい。
そんな気持ちで授業に臨んだ。
香港日本人学校は、1966年に設立された歴史ある学校だ。
香港島の高台にある香港校と、九龍側にあるもう一つの学校の2つの校舎に、小学部・中学部とグローバルクラス・国際学級(IS)を設置している。
キャリア授業は香港校が舞台だった。
小高い山にある校舎の周辺は、閑静な住宅街や学校が多く落ち着いた雰囲気。アッパークラス感が漂う素敵な街並み。
そんなところで学んでいる中学生。いったい、どんな生徒たちなのか?緊張とワクワクが止まらない。
授業のテーマは『将来、じぶんは何になりたいのか?よりも、じぶんはどうありたいのか?』にした。
僕の岐路になった、じぶん自身のブランディング。じぶんを見つめず、じぶんを好きになれずにいた僕の50年間の人生をネタにした授業だ。
生徒のみんなに、じぶんのことを心の底から大好きと思って欲しくて。そんな願いを込めて。
時間ピッタ入りに生徒たちが集まる。みんな元気に挨拶してくる。少しホッとした。
担当の先生が僕のことを紹介してくれる。ブランドコンサルタント・広告代理店出身・宣伝広報・・・。ずいぶんとかっこよく生徒たちへ伝える。
これから始まる話は、その真逆。カミングアウト全開の僕の人生。なんか楽しくなってくる。
そして授業スタート。
咄嗟に出た行動。芸人のような登場。「どーも」。
思いっきりすべった。でもめげない。すぐに立て直す。
授業テンポを軽快にしようと思ってつくった、1ページにひとつのメッセージスライド。これが役にたった。ポンポン話が進んでいく。
子どもの頃から「誰か」が主語、つまり外発的動機で生きていたこと。
そこそこ成績優秀で、運動神経も抜群。クラスの中心的存在だったこと。
でも楽しかった思い出はぜんぜんなかったこと。
「じぶん」が主語、つまり内発的動機で生きてこなかったこと。
そんなことを包み隠さず伝えた。
つい数年前。40歳後半まで状況は同じ。なんとなく歳をとってしまったこと。
ようやく出会った「伝える喜び」。
それも、スポットがあたってないけれど、魅力的な人・モノ・組織。
そして、じぶんのブランディングに出会うきっかけとなった失敗。
中学生の生徒たちが相手だが、等身大の僕の人生を話した。
説教くさい授業はしたくない。
答えも押し付けたくない。
「最後は自分自身」。取材で聞いた忘れられない言葉。
子ども扱いもしたくない。
かりそめの気持ちで「先生」っぽく振る舞いたくもない。
「学生は同志」。取材で聞いた印象的な言葉。
生徒たちと対等でありたいから。
長年、そういう考えに触れてきたから。
彼らの心になにか響くものはあったのか?何年か後でも思い出してくれるか?
そんな期待を胸に。
香港日本人学校の生徒たちが、素敵な人生を歩むことを願って。
生徒たちの感想を聞かせていただきました。その一部を画像で紹介しています。嬉しい言葉をたくさんいただき、ありがとうございました。


